産前産後女性を支える新たな連携。医療機関とmaemo atomoが目指す包括的ケアとは

産前産後の女性の身体は、妊娠・出産に伴うホルモン環境の変化に加え、骨格アライメントや筋機能にも大きな変化が生じることが報告されており、身体的・心理的に大きな変動を経験する時期です。
一方で、「産前産後は安静に過ごすべき」「産後の不調はよくあること」といった考え方が根強く残っており、適切なケアや支援につながらないまま症状が長期化したり、生活の質(QOL)の低下を招いたりするケースも少なくありません。
近年では、産前産後期における適切な身体活動や運動が、身体機能の維持・回復に加え、抑うつ症状や不安症状の軽減など、心身の健康維持に寄与することが示されています(WHO guidelines on physical activity and sedentary behavior)。
しかしながら、運動指導のみで産前産後の多様な課題に対応することには限界があり、医療的な評価やリスク管理、治療との連携が不可欠なケースも存在します。
こうした背景から、「maemo atomo」は2025年より、大阪府・豊中市「よこい整形外科健康スポーツクリニック」および「よこいレディースクリニック」と連携し、産前産後女性に対する包括的なサポート体制の構築に取り組んでいます。本取り組みでは、予防・治療・リハビリテーション・運動支援を切れ目なくつなぎ、一人ひとりの状態に応じた適切なケアの提供を目指しています。
この記事では、maemo atomo CEO西山夏実と、よこい整形外科健康スポーツクリニック 横井裕之先生との対談を基に、運動指導の現場と医療機関が連携する意義やその効果、そして産前産後ケアの新たな可能性について紹介します。
※対談動画は、maemo atomoのInstagram
(投稿URL:https://www.instagram.com/reel/DCTPijvu8En/?igsh=MTFpbmp1aDk0NjQzcw%3D%3D)より視聴いただけます。
提携への想い
“産前産後は、今まで健康だった方でも合併症や身体の不調が起こる時期。
maemo atomoは、運動でサポートしていくことができる。(西山)”
“例えば産前産後の腰痛などは”当たり前“になってしまい、受診される方が非常に少ない。
連携することで、治療が必要な場面は我々がサポートできる。(横井先生)”
産前産後の女性は、身体や生活環境が大きく変化する中で、さまざまな不調や不安を抱えやすい時期にあります。しかし、その不調を「産後だから仕方ないもの」と受け止め、適切な支援につながらないまま過ごしている方も少なくありません。
こうした課題に対し、予防と運動支援を担う「maemo atomo」と、専門的な診断・治療を行う「よこい整形外科健康スポーツクリニック」・「よこいレディースクリニック」が連携することで、運動と医療の双方から産前産後女性を支える体制を整えました。
日常的な運動支援の中で気になる症状やリスクが見つかった場合には医療へつなぎ、治療後は再び運動や生活支援へとつなげていく。このような切れ目のないサポート体制は、利用者の安心感を高めるだけでなく、適切なタイミングで必要なケアを受けることにもつながります。
私たちは今回の取り組みを通じて、産前産後の女性が不調を我慢したり、一人で抱え込んだりすることなく、必要な支援にアクセスできる社会の実現を目指しています。

アンケートからみえた、産後女性が抱える不調と受診へのハードル
提携発表に先立ち、maemo atomoでは産後女性を対象にアンケート調査を実施しました。その結果、多くの方が身体の不調を抱えながらも、適切なケアや医療機関の受診につながりにくい現状が見えてきました。
アンケートでは、産後に何らかの身体的不調を感じている方の割合は非常に高く、特に以下の症状が多く挙げられました。
・肩こり・肩の痛み: 57%
・腰痛・背中の痛み: 52%
・骨盤周りの痛み・違和感: 40%
・尿漏れ: 37%
これらの症状は、妊娠・出産に伴う身体の変化や、育児による身体的負担が重なることで生じると考えられます。しかし、こうした産後の不調で、実際に整形外科を受診したことがある方はわずか15.4%でした。
受診をためらう背景としては、「子どもを預けられない」「子連れで受診できるかわからない」といった育児期特有の事情に加え、「受診しても改善しないと思っていた」「整体と整形外科のどちらに相談すべきかわからなかった」など、医療へのアクセスや情報不足に関する課題も挙げられました。

産後の腰痛や骨盤周囲の痛み、尿漏れなどは、多くの方が経験する症状である一方、「産後だから仕方ない」と受け止められやすい側面があります。しかし、その中には適切な評価や治療、運動療法によって改善が期待できるものも少なくありません。
だからこそ私たちは、運動指導の現場と医療機関が連携し、不調を抱えた方が気軽に相談できる環境を整えることが重要だと考えています。
また、この課題は産前産後に限ったものではありません。女性の身体は、妊娠・出産だけでなく、ライフステージの変化に伴いさまざまな変化を経験します。そのため、不調や不安を抱えた際に一人で抱え込むことなく、気軽に相談できる環境や、必要な支援へ適切につながれる仕組みづくりが重要だと考えています。

ひとりひとりの健康に寄り添う取り組み
産前産後の女性は、妊娠・出産に伴う身体の変化によって、腰痛や骨盤帯痛、尿漏れ、体幹機能の低下など、さまざまな不調を経験することがあります。こうした症状は、日常生活や育児にも影響を及ぼし、生活の質(QOL)の低下につながる場合があります。
maemo atomoとよこい整形外科健康スポーツクリニックの連携は、運動指導と医療をつなぎ、産前産後の女性が必要な支援を適切なタイミングで受けられる環境づくりを目指す取り組みです。
安全な運動機会の提供はもちろん、身体の状態に応じた専門的な評価や治療、リハビリテーションへとつなぐことで、産前産後の健康を包括的に支えていきます。
【maemo atomoの取り組み】
maemo atomoでは、「出産を、リスクにしない社会へ。」の実現に向け、助産師と理学療法士が連携した医学的根拠に基づく支援を提供しています。
レッスンでは、周産期特有の身体の変化を踏まえながら、一人ひとりの状態に合わせた運動指導を実施しています。単に運動量を確保するだけではなく、身体機能の回復や不調の予防・改善を目指し、姿勢や呼吸、日常生活動作まで含めた総合的なサポートを行っています。
また、利用者一人ひとりの生活背景や目標に寄り添いながら、自分らしく健康に過ごせる身体づくりを支援しています。
【よこい整形外科健康スポーツクリニックの取り組み】
よこい整形外科健康スポーツクリニックは、よこいレディースクリニックと連携し、整形外科と産婦人科の双方の視点から産前産後の女性を支える医療体制を整えています。
また、院内には産前産後領域に関わる理学療法士が在籍しており、骨盤周囲の機能や筋機能、呼吸や姿勢の変化など、時期特有の身体的特徴を踏まえた評価・リハビリテーションを行う体制が整えられています。
さらに、リハビリ室へのベビーベッドの設置や、カーテンで区切られた空間での対応など、子連れでの受診に配慮した環境づくりにも取り組んでいます。また、スタッフによるお子さま連れでの来院時のサポートなど、受診時の心理的・物理的な負担軽減にも配慮されています。
連携しているからこそ実現できる、安全な運動支援と医療サポート
医療機関と運動指導の現場が連携する最大の価値は、利用者が安心して身体を動かせる環境を整えながら、必要なタイミングで適切な医療につなげられることにあります。
産前産後の女性の身体は大きく変化するため、一見よくある不調に見えても、専門的な評価や治療が必要なケースが存在します。一方で、運動指導の現場では、利用者と継続的に関わるからこそ、身体の小さな変化や不調のサインに気づくことができます。
例えば、
・痛みによって生活に支障が出ている
・適切なセルフケアや運動を行っても症状が改善しない
・症状が徐々に強くなっている
・医師による診断や評価が必要と考えられる
といった場合には、運動指導だけで対応するのではなく、医療機関での評価や治療につなげることが重要です。
また、骨盤ベルトの使用ひとつをとっても、身体の状態に合わない装着方法によって痛みが増強する場合があります。そのため、まずは運動指導の現場で正しい使用方法や身体の使い方を確認し、必要に応じて医療機関と連携しながら対応することが大切です。

さらに、受診が必要だと感じていても、「子どもを連れて受診できるかわからない」「預け先がない」といった理由から受診をためらう方も少なくありません。よこい整形外科健康スポーツクリニックでは、子ども連れでも受診しやすい環境を整えており、こうした心理的・物理的なハードルを下げる取り組みも行っています。
日々の運動支援の中で不調やリスクの兆候を察知し、必要なときには速やかに医療へつなぐ。そして、治療後には再び運動や生活支援へとつなげていく。このような切れ目のない連携体制こそが、産前産後の女性を包括的に支える大きな価値だと私たちは考えています。

まとめ
産前産後のケアに対する考え方は近年大きく変化しており、現在では適切な身体活動や運動が、身体機能の回復や心身の健康維持に重要な役割を果たすことが広く示されています。
一方で、産前産後の不調は運動だけで全てを解決できるものではなく、症状や状況によっては医療的な評価や治療が必要となる場合もあります。だからこそ、運動指導と医療がそれぞれの専門性を活かしながら連携することが重要です。
今回のよこい整形外科健康スポーツクリニック、よこいレディースクリニックとの連携により、運動支援から医療、そしてリハビリテーションまでを切れ目なくつなぐサポート体制が実現しました。
整形外科、産婦人科、助産師、理学療法士が連携し、一人ひとりの身体の状態やライフステージに応じた支援を提供することで、産前産後の女性とその家族が安心して日々を過ごせる環境づくりを目指しています。
maemo atomoはこれからも、「出産を、リスクにしない社会へ。」の実現に向けて、医療と運動の架け橋となり、女性とその家族を支える取り組みを続けてまいります。

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